マエケン４勝、関東からカープ女子148人

＜広島１３－５中日＞◇１０日◇マツダスタジアム

　カープ女子のみなさま、ようこそ－。左翼ポール際の“特別席”に向かって手を振る広島前田健太投手（２６）に大歓声が湧き起こった。球団が初めて関東からの観戦ツアーを開催し１４８人が参加。「今日は東京からカープ女子のみなさんも来てくださって、その前で勝ててよかったです」。結果と力投で、大入りのスタンドをエースがもてなした。

　投球内容だけ見れば、笑顔のかけらも浮かべたくない心境だった。前田自身の今季最多タイの７回４失点。防御率は２点台になり、巨人菅野と入れ替わりで２位に落ちた。エルドレッドとお立ち台にも上がったが「きょうのピッチングは全然だめ」。立ち上がり、森野に３ランを浴びた。「完全な失投でした」。いきなりチームにビハインドを背負わせた投球を悔やんだ。

　それだけに元気な打線がありがたかった。「２回の２点が勇気をくれた。チームに勝ちを持ってこられるよう粘り強く投げることができました」。投前バント処理に失敗して招いた３回無死一、二塁も、連続奪三振で切り抜けた。

　「前田も頑張ったし、きょうは打線が頑張ってくれた」と野村監督。劣勢もはね返し、進撃を続ける。【堀まどか】

　○…関東の女性ファンを対象にした「関東カープ女子　野球観戦ツアー」が初開催され、１４８人がマツダスタジアムを訪れた。往復の新幹線代を球団が負担し、参加費は入場券代と食事代のみ。２３０５人の応募があった。ＯＢの前田智徳氏（野球評論家）が試合前に見どころを解説。逆転した３回は球団マスコットのスラィリーが応援席に駆けつけ、盛り上げた。