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広島「濃縮打線」稼働 4連打決め2連勝

2014年05月07日 14:54

広島5-2DeNA>◇5日◇マツダスタジアム

 広島がギュッと安打を集められる「濃縮打線」を稼働させ、DeNA相手に2連勝で首位の座を落ち着かせた。1点を追う5回2死走者なしから4連打を決め、好走塁も絡めて一挙3得点で逆転した。自慢の投手力に注目が集まる中、打線はここ9試合だけで3連打以上を計8回も記録。勝負どころをわきまえた若鯉軍団は、「鯉のぼり」の季節を終えても止まらない。

 赤帽子をかぶった少年たちがメガホンを打ち鳴らした。1点を追う5回裏2死一、二塁、3番丸佳浩外野手(25)が右前適時打。二塁走者堂林が間一髪で同点のホームに滑り込む直前、丸は堂林の得点を助けようと一塁を蹴っていた。捕手西森の二塁送球により一、二塁間に挟まれる。ここで、三塁を陥れていた一塁走者菊池と丸が「こどもの日」の教材となった。

 菊池 僕と丸の間で意思が通じたということです。

 遊撃白崎が一塁側に丸を追い込み、一塁方向へ送球。その瞬間、菊池はスタートを切り、ボールを持った二塁石川は本塁送球を諦めた。好走塁で一挙逆転だ。おとり役を演じた丸は「当たり前のことをできた」と冷静だが、野村監督は「キャンプで練習したことが結果に出た。あの1点は大きかった」と絶賛。足だけでも点は取れる-。同い年のキクマル先生が、野球の奥深さを子供たちに伝えた。

 DeNA守備陣のミスもあり、丸はそのまま二塁に残った。2死二塁から4番エルドレッドが左翼線適時二塁打を決めた。2死走者なしから1番堂林から菊池、丸、エルドレッドの4連打で3得点だ。「2死走者なしでもズルズルいかない感じがある。去年の終盤、CSとしびれる場面を多くの選手が経験できたことが大きい」と、丸は充実感を漂わせる。

 チーム打率2割5分4厘はリーグ5位、139得点は同4位。勝負どころで安打を集められるから、勝てる。菊池は「エルドレッドが好調なので、丸とは2人のどちらかが出ようと話している」と説明する。ここ9試合で5連打が1回、4連打が3回、3連打が4回(四球挟む)。菊池、丸、エルドレッドは4試合連続で3連打を決めている。

 鮮やかな逆転劇からの2連勝で貯金11。野村監督も「非常にいい攻撃ができている」と納得顔だ。来場した野球少年たちの答えは1つだろう。「カープはコイの季節まで」という球界の定説は今季も続く? 正解は×になりそうだ。【佐井陽介】

 ▼広島の4連打は、4月26日巨人戦6回5連打、5月1日阪神戦5回4連打、同4日DeNA戦5回4連打に次ぎ4度目。5月はこのほか3日DeNA戦6回にも3連打しており、全4試合で1イニング3連打以上を記録している。

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