広島エルドレッドきょう復帰「ＯＫだよ」

　もう４番が帰ってくる！　左手中指を痛めていた広島ブラッド・エルドレッド内野手（３４）が、今日１１日の中日戦（ナゴヤドーム）で先発復帰することが１０日、確実となった。この日は阪神戦（甲子園）が雨天中止となり、全体練習には参加せず静養。２８本塁打、７５打点の２冠王が、３連敗中の悪い流れを力ずくで止めてみせる。

　最悪の事態は免れた。エルドレッドは当初の見立て通り、重傷ではなかった。野村監督は「明日は大丈夫」ときっぱり。今日１１日中日戦での４番復帰が決定的になった。

　８日阪神戦でスイングを止めようとした際、左手中指を負傷。我慢強い主砲が歯を食いしばり痛がる姿を見て、誰もが心配し、不安を募らせた。翌９日同戦のフリ－打撃でも痛みは消えず。指揮官と話し合った結果、試合開始直前に先発から外れて欠場した。左手中指は以前から度々痛みを抱えていた箇所。大事を取った形とはいえ、状態が気がかりだった。

　この日は台風接近による天候不良の予想で甲子園の阪神戦が午前中に中止になり、名古屋に移動。キラや菊池、倉とともにナゴヤ球場での全体練習を免除され、宿舎で静養した。前夜に指揮官が「明日雨で中止になれば２日間休むことができる」と予想した通り、２日間フルスイングをしなくてすんだ。アイシングや電気治療によって痛みは和らいでいるもよう。新幹線に乗り込む直前、Ｅ砲は「ＯＫだよ！」と笑顔で不安を一掃した。

　阪神戦ではエルドレッドの代役４番を務めた岩本が２安打２打点と結果を出し、５点を追う８回に４得点の猛反撃をかけた。勝負どころでの得点力に不安はないが、両リーグ断トツの２８本塁打、７５打点の主砲抜きにチームの巻き返しは語れない。チームは３連敗で首位巨人に４・５ゲーム差をつけられ、３位阪神にはゲーム差なしに迫られている。２３年ぶりのＶ奪回へ窮地に立たされた今、Ｅ砲のバットが頼りだ。【佐井陽介】