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広島エルド満開弾 2発含む猛打6打点

2014年05月19日 14:06

<巨人3-10広島>◇18日◇東京ドーム

 91年以来の優勝を目指す広島が首位で、交流戦前最後の試合を終えた。広島は12安打10得点の猛攻を決め、東京ドームの巨人3連戦では4年ぶりとなる勝ち越しを決めた。4番ブラッド・エルドレッド内野手(33)が試合中に野村監督から"直接指導"され、来日3年目で自身初の満塁弾を含む2発6打点と大暴れ。2番菊池は1回無死一塁で「打て」のサインに先制2ランで応えるなど、イケイケのムードで苦手とする交流戦に突入する。

 異例のシーンは、1回裏の守りが終わった直後だった。野村監督がベンチ奥に座ったエルドレッドに近づき隣に腰かけた。通訳を介さず2人だけで英会話。「自分から仕掛けに行き過ぎている。相手はあなたを怖がっているんだよ」。大砲は指揮官を見つめ、何度もウンウンとうなずいた。

 エルドレッド 最初の打席(三ゴロ)は焦りがあった。春先から監督が言うことは1つ。「打ち急ぐな、タメを作れ」だ。2打席目からはタメを作れたよ。

 第2打席は3点リードの3回1死三塁。セドンの外角直球を狙いすまし、2ランを左中間席中段に突き刺した。6点リードの6回1死満塁、今度は笠原の高めスライダーをグッとこらえて打ち上げた。メジャー時代も含めて自身初の満塁弾を左中間席へ届かせた。

 現場からの引き留め要請もあり、カープ3年目を迎えた。指揮官を「ケニー」と呼び、「カントリー」と呼ばれる仲。キャンプ中から「テークバックをゆっくり取って体が突っ込まない」フォームを直接指導されてきた。13打席連続無安打中だった15日の練習でも直接指導を受け、復調のきっかけをつかんでいた。

 野村監督 彼はマジメで一生懸命過ぎるところがある。打ちたい時はクソボールでも振ってしまうから。

 指揮官は「打った選手がすごいんだよ」と強調したが、エルドレッドの性格を知り尽くすからこその助言が効いた。2発を含む3安打6打点の大暴れ。15本塁打はリーグ最多タイ、47打点は同トップ、打率3割5分6厘は同2位。首位打者の巨人アンダーソンが故障離脱しただけに事実上の3冠王だ。

 たくましい主砲がいれば、怖いチームなどない。東京ドームの巨人3連戦では4年ぶりの勝ち越しを決め、今季最多タイの貯金12を手に交流戦へ向かう。指揮官は「我々は苦い経験をたくさんしている。これを1年間続けていくことだけを考えている」。監督就任後4年連続で交流戦に負け越し、通算で37勝52敗7分け。そんな鬼門すら突破しそうな気配がプンプン漂う。【佐井陽介】

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