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広島キラ 得点圏打率10割

2014年03月17日 11:31

<オープン戦:ロッテ1-3広島>◇15日◇QVCマリン

 キラー・キラだ。オープン戦好調の広島カアイフエ・キラ内野手(28)が、ロッテ戦の4回、チームに勢いをつける同点打を放った。これでオープン戦の得点圏打率は5打数5安打6打点、1本塁打。驚異の10割をキープだ。13番を背負う赤ヘル軍団不動の4番打者は、相手チームからは必殺の「ゴルゴ13」に見えるに違いない。

 バットの折れる鈍い音ともに打球は右前で弾んだ。1点を追う4回1死二塁。ロッテ唐川の内角高め真っすぐに詰まったキラだが結果は同点適時打だ。公式戦並みに真っ赤に染まった左翼席が沸きに沸く。これで一気に勢いをつけた広島はオープン戦なのがもったいない勝ちっぷりを見せた。

 「追い込まれていたけれど詰まりながらもいいスイングができた。いいところに飛んでくれたな」。報道陣にはまず笑わないキラ、「ゴルゴ13」なみのスゴみを利かせて話した。

 スラッガーの代名詞である得点圏打率も人間離れしている。この日まで6試合で好機は7度。そこで5打数5安打6打点、1本塁打、2四球。なんと得点圏打率は驚異の「10割」だ。他球団にとって、こんなにおそろしい助っ人はそうはいない。

 バットを折っても適時打にできる理由がある。「世界のヒットマン」イチロー(ヤンキース)の師匠・新井打撃コーチが説明する。「キラの最大の特長はバットがしっかり内側から出る点。これだといわゆるスイートスポットが広くなり、バットの先でも根っこでもある程度、球を捉えられる。しかも彼は最後までバットを振り切るからな。だからヒットにすることができるんだ」。

 緒方野手総合コーチも「キラが4番にしっかり座ってくれるから打線が組みやすい」と高く評価した。キラが打って、前田が好投しての逆転勝利。エースと4番がしっかりしているチームが弱い道理がない。昨季16年ぶりのAクラスに沸いた広島ファン、今季も大いに期待していい。【編集委員・高原寿夫】

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