広島ロサリオ ミコと入れ替え置き土産弾
2014年06月02日 18:00<楽天1-4広島>◇1日◇コボスタ宮城
置き土産の1発だ。広島ライネル・ロサリオ外野手(25)が、敵地楽天戦で特大弾を放った。1点リードの6回に5号左越え2ランで試合の大勢を決め、チームを交流戦敵地6戦目での初勝利に導いた。試合後には外国人枠の影響で2軍降格を言い渡されたが、確かな実力を証明。さらなる進化を遂げ、再び1軍に戻ってきてくれ!
汗ばむ陽気に負けじと、仙台の鯉党が歓喜のメガホンを打ち鳴らす。ロサリオが特大弾だ。1点リードの6回無死一塁、楽天ブラックリーの内寄りカットボールを豪快に振り抜いた。5号2ランを左中間席中段まで運び去った。
「自分に怒っていた。取り返そうと思っていたんだ」。1点先制直後の1回1死二、三塁で二ゴロに倒れた際には、狭殺プレーの間にまずい走塁でチャンスをつぶしていた。名誉挽回のひと振りは、5連敗中だった敵地交流戦での初勝利を呼び込む1発となった。
昨季、母国ドミニカ共和国のカープアカデミーに入団。獲得に尽力した川端編成グループ兼編成部長によれば、決め手は性格だった。「取った理由は足。ゲッツーでも一生懸命走るし、マジメだなと。肩も強いし、打たせたら両翼105メートル、中堅127メートルのフェンスを楽々越えるんだから」。ただ、当時のフォームはテークバックが大きく、粗削りだった。「今はコンパクトでフォロースルーが大きいフォームになっている。1年でここまで成長するとはね」。恩人も驚く成長ぶりだ。
試合後には2軍降格を言い渡された。左足内転筋痛で5月10日に出場選手登録を抹消され、夫人が第2子となる長女を出産したため米国に一時帰国していたミコライオが、2軍戦で2試合の試運転を終えたためだ。野村監督は「(ミコライオが)1カ月いない間、中田と一岡がキツくなっているし、永川(勝)も調子を落としている。難しいところ。私の気持ちを察してください」と説明。ミコライオはこの日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で1回5安打4失点(自責は0)だったが、中継ぎ陣に疲労が見え始めており、首脳陣は苦渋の決断を下さざるを得なかった。
前回はキラ離脱に伴い、4月23日に1軍初昇格。登録10日間で打率3割3分3厘、2本塁打の成績を残して2軍に戻った。今回も5月24日に再昇格してからの9日間で打率3割4分8厘、3本塁打。外国人枠に翻弄(ほんろう)され続けるが、それでも決して腐らない。「1軍にいたい。自信はある」と力を込めたR砲。次回1軍の舞台に立った時、どれだけ進化しているか楽しみだ。【佐井陽介】
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