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広島大瀬良 打線に感謝5回猛攻8得点

2014年06月23日 12:46

<広島8-4日本ハム>◇21日◇マツダスタジアム

 1カ月ぶりの白星じゃ~! 広島ドラフト1位の大瀬良大地投手(23)が打線と雨に助けられ、5月16日巨人戦以来の6勝目を挙げた。5回までに4失点も、打線が5回に8得点の猛攻で逆転。試合は6回表で降雨コールドとなり、予期せぬ完投勝利で交流戦初星だ。チームは日本ハム戦の連敗を7で止めて4連勝。首位巨人に2・5ゲーム差とした。

 鬼のような形相で一塁側ベンチ後方に腰かけた。後頭部を思い切り真後ろの壁にぶつけた。5回4失点で降板を告げられた直後、大瀬良はふがいない自分への怒りを隠しきれなかった。

 「4点目を取られた時、また負けかと頭によぎった。でも、自分がそういう気持ちだと失礼になる」

 すぐさま反省し、ベンチ前列で声をからした。すると4点を追う5回裏、打線が8得点を決め、試合はそのまま降雨コールドゲーム。6勝目が転がり込み、「野手の皆さんに助けてもらった」と感謝した。

 6月17日、23歳の誕生日を迎えた。記念日が近づいた16日の午後11時30分、両親にメールを送った。「僕が感謝しないといけない立場なので。でも電話は照れくさくて」。母さつみさんには「産んでくれてありがとう」、父禎弘さんにも気持ちを伝えた。母からは「こちらこそ生まれてくれてありがとう」と返信があり、父からも「焦らずオマエらしくやれ」と返ってきた。厳格な父から優しい言葉をもらい「あまり褒められたりしなかったのでうれしかった」とまた感謝した。

 そんな男だから、周りも支えたくなる。九州共立大3年時の誕生日、全日本大学選手権の準決勝・早大戦に臨んだ。試合前、応援団が「ハッピー・バースデー」と歌い始め、最終的に球場全体から祝われた経験もある。この日は打線に助けられた。常に感謝を忘れない男だから、幸運が舞い降りてくるのかもしれない。

 ただ、本人は不本意だろう。試合前の時点で交流戦4試合16回を21失点で0勝2敗。骨盤と肩が開いてシュート回転する悪い癖を修正し、外角に偏りがちだった配球もあらためた。「調子は良かった」と最速151キロを記録しながら、要所で高さとコースが甘くなった。試合後は「要求通りに投げられるようにならないと」と猛省。そして最後、父からの言葉を反復するかのように、「これからも僕らしく元気いっぱい投げたい」と誓った。【佐井陽介】

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