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広島松山 代打V打「オレ、やったよ!」

2014年05月12日 10:31

広島3-2中日>◇9日◇マツダスタジアム

 広島がまた一大事を乗り越えた。若き中心選手、堂林翔太内野手(22)が右手薬指骨折で長期離脱となるピンチ。重いムードも、7回に代打松山竜平外野手(28)が適時打でぶち破った。カープ女子も男子も「アンパンマン」と慕う男が勇気100倍の一打で接戦を制し、今季最多タイの貯金11に回復。鯉のぼりはまだしまわないぞ~。

 勇気100倍のタイムリーだ。チームにかかった暗雲も、重苦しい試合展開も、松山が吹き飛ばした。代打で今季初の適時打が連勝を決める決勝打。「ファンのみなさん、オレ、やったよ!」。マツダスタジアムの夜空に、カープのアンパンマンが叫んだ。

 1-1の7回1死一、三塁で代打で出た。中日のルーキー・祖父江の初球スライダーを空振りしたが、それが奏功した。「スライダーがキレていたけど、その球をしっかり振ることができた。だからあとのスライダーにも目がついていったんです」。1ボールのあとに来たスライダーをとらえ一、二塁間を破った。

 前日8日のヤクルト戦(神宮)でアクシデントが起きた。堂林が右手薬指を骨折。この日、球場で顔を合わせ「あせらずにしっかり治して来いよ」と激励。「頑張ります! 走り込んできます」と後輩は前向きだったが、焦燥感にさいなまれるつらさは、松山にはよくわかる。

 自身も2月2日に左太ももを痛め、満足なキャンプを送れなかった。今も試合前の走り込みや外野ノックで2月の分を埋め、下半身のキレ、スタミナをつくり続けている。

 「最近の堂林の活躍からすれば、抜けるのは痛い。みんなでカバーするしかないんです」。そんなチームの気持ちをまず松山が結果で示し、1死満塁からの代打・梵も犠飛で続いた。

 代打陣の活躍に、野村監督も「梵は勇気あるスイングをしてくれたし、松山は期待に応えてくれた。いる人は(調子を)上げて、いない人はしっかり治す。こういう中で初戦を取れたのは大きい」と喜んだ。【堀まどか】

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