熱闘首位攻防戦 広島粘った 今日は勝つ
2014年07月02日 13:29<広島7-8巨人>◇1日◇マツダスタジアム
このままでは終わらんけえ! 巨人との首位攻防3連戦は空中戦の末、7-8で敗れた。しかし王者に食い下がったカープナインの姿は詰めかけたファンを熱くさせた。シーズンはまだまだこれから。まずは今日、お返しだ!
地鳴りのような大歓声の中、代打小窪のライナーが右前に弾む。その時、二塁走者赤松はまだ三塁ベースの手前だった。右翼亀井の強肩と俊足の戦い。ワンバウンド送球がわずかに一塁側にそれた。スライディングした赤松の左足が、タッチに飛びつく捕手阿部のグラブより一瞬早かった。7回裏、2点ビハインドからの逆転劇。最後は寄り切られたが、カープの底力は確かに見せつけた。
野村監督 野手陣は本当に強くなってきたと感じる。非常に粘り強かった。
今季5勝4敗で迎えた首位攻防3連戦。前日6月30日、指揮官は大相撲を引き合いに出しながら打倒横綱を誓っていた。
「大相撲でもまわしを握った瞬間に軽いと思わせてはいけない。がっぷり四つでモノにしたい」。その言葉通り、互角の戦いを演じた。
4番村田の先制2ランには4番エルドレッドの26号左越えソロでお返し。1番坂本の左越えソロで突き放されても、5番ロサリオの左前2点打で追いつく。2番片岡、3番亀井の連続適時打で再び2点ビハインド。7回1死二塁から3番丸の10号右中間2ランが飛び出し、2死一、二塁で小窪が勝ち越し打を決めた。
2点リードの8回表、セットアッパー中田が1番坂本に痛恨の逆転3ランを浴びた。万事休すかと思われた直後の8回裏、3番丸の左前適時打で1点差まで迫った。主軸だけではない。代打小窪や代走赤松ら脇役も持ち場を全うした結果、激闘が生まれた。
野村監督 諦めない、いい戦いをしてくれた。(3連戦の)頭を取りたかったけど、防御率1位で勝ち数も多い菅野くんに打線がいいイメージを持ってくれた。一気にガンと強くなりたいけど、成長している。
巨人相手に5年連続で負け越し、昨季のCSファイナルステージでも3戦全敗。そんな負のデータはもう過去のモノだ。横綱とはまだ3・5ゲーム差。「明日、頑張ります」と指揮官。この日打ち続けたジャブは、必ず今後に生きる。
◆ルーズベルト・ゲーム 米大統領フランクリン・ルーズベルトが「野球で一番おもしろいのは8-7だ」と言ったとされることに由来し、点を取られたら取り返して8-7で決着する試合のことをいう。池井戸潤氏による小説のタイトル(ルーズヴェルト・ゲーム)にもなっており、同作は4月からTBS系でドラマ化された。
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