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4発10点呼んだ 広島野村監督“攻”采配

2014年05月19日 14:07

<巨人3-10広島>◇18日◇東京ドーム

 広島は野村謙二郎監督(47)のキレ味鋭い采配が光り、東京ドームの巨人3連戦で4年ぶり勝ち越しを決めた。1回無死一塁で「打て」のサインを出した2番菊池が5号2ラン。4番ブラッド・エルドレッド内野手(33)はベンチでアドバイスした直後から、来日3年目で初の満塁弾を含む2発6打点と大暴れ。4回には代打木村が今季1号を放つなど12安打10得点の猛攻を操り、首位のまま交流戦突入だ。

 甘く入った直球が、巨人バッテリーの無警戒を証明していた。1回無死一塁で2番菊池。バントで走者を進めると思いきや、サインは「打て」だった。「相手はバントだと考えていると思ったから、真っすぐ一本に絞った」。セドンの初球、内寄りの直球を強振。左翼席中段に先制5号2ランを突き刺し、一瞬で広島ペースに持ち込んだ。

 右打ちを意識させず、思い切り振らせたから1発が生まれた。菊池は「右打ちしてほしい時は右打ちのサインを出す、と言われているので」と強振の意図を説明した。もちろん思いつきのサインではなかった。

 セドンに9回途中まで1点に抑えられた4月9日、チーム6安打のうち3安打を放ったのが菊池。野村監督は「相性の良さで打たせた」と納得顔だ。菊池は3回無死一塁でも「打て」の指令に応え、左中間二塁打でこの回3得点を呼んだ。

 4番エルドレッドは言葉で再生させた。1回の第1打席はボール球の外角低めチェンジアップを追っかけて三ゴロ。1回裏の守りが終わった直後、ベンチで「もうちょっと楽に打った方がいい。自分から仕掛けにいき過ぎている」と声をかけた。すると助っ人は2打席目から2発を含む3安打6打点の大暴れだ。

 3回裏に拙守を連発した三塁小窪をすぐさまベンチに下げ、4回に代打登場させた木村は今季1号を含む2安打を記録。怖くなるほど采配がズバズバはまっても、決して浮かれない。6点リードの6回無死一、二塁では巨人4番手笠原に対し、今度は菊池に犠打を指令。大量リードの状況でも冷静に1死二、三塁の好機をつくり、4番エルドレッドの満塁弾を呼び込んだ。

 菊池は「2番なんで、いろんな仕事ができればいい。サインに忠実にやっているだけです」とサラリ。選手1人1人が役割を理解し、任務を遂行する。カープの強さは本物だ。

 明日20日ソフトバンク戦から苦手とする交流戦が始まる。初めて首位として臨む舞台も、自信を持って戦うだけだ。「交流戦も同じように戦っていきたい」。今度はパ・リーグチームを相手に、指揮官が脳をフル回転させる。【佐井陽介】

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